行列は大文字のアルファベットで表す

行列を文字で表すときには、大文字のアルファベットを使うことが多いです。

行列を意味する記号

行列は習慣的に大文字のアルファベットでよく表記されます。

そのなかでもよく使われる文字は、A,B,C,E,I,M,N,O,P,Q,R,S,T,U,X,Y,Zです。

表記例

\(A=\begin{pmatrix}1 & 2 & 3 \\ 4 & 5 & 6\end{pmatrix}\)

\(X=\begin{pmatrix}1 & 2 \\ 5 & 6\end{pmatrix}\)

EとIは単位行列を表すときによく使う

行列の単位行列は、大文字のE、Iがよく使われます。

Iは数字の1に似ているのでよく使われるのだと思いますし、Identityの頭文字からきているとも考えられます。

特に、n次元の正方行列は、\(I_n\)と添え字\(n\)を使ってよく表します。

見やすさの改善や、他の用途があって\(I\)を使いたくない場合には、単位行列を表すのに\(E\)よく使います。

数字の1と区別していることを強調する意味では、あえて\(E\)の文字を使うとよいです。

ただ、\(E\)と\(I\)を混在して使うことは混乱を招くので避けた方がよいです。

単位元という意味でよくeの文字を使うことが多いのですが、それが行列を表しているという意味で大文字のEを使います。

Oはゼロ行列を表すときによく使う

すべての成分が0である行列をゼロ行列と言いますが、このゼロ行列を表すときによく使われるのが、大文字のO(オー)です。

0と似ているからよく使われているのだと思います。

汎用的な行列は、A,B,C、M,N、X,Yの文字をよく使う

汎用的な行列は、アルファベットの大文字を使いますが、そのなかでも

汎用的な行列は、A,B,Cの文字やM,Nをよく使います。

任意の行列という意味で使われることが多いです。

未知の行列には、X,Yをよく使います。

PとQは変換する行列を表すときによく使います。

文字が足りなくなったら、Rや、S、Tなども行列を表す文字として使います。

これらは、習慣的なだけでこの表記にしなければならないというわけではありませんが、習慣に従った記号を使うと、式がわかりやすくなるというメリットがあります。

行列の成分、スカラーは小文字のアルファベットを使う

行列の成分を表すときには、小文字のアルファベットを使うことが多いです。

行列はたくさんの成分をもつので、3次以上の行列ではすぐに文字が足りなくなってしまいます。そこで添え字付きのアルファベットがよく使われます。

\(A=\begin{pmatrix}a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33}\end{pmatrix}\)

のように、大文字、小文字で行列全体と、成分をわけると対応がよくわかるようになります。

ただし、2次の正方行列は添え字が逆に煩わしいことが多いので、

\(X=\begin{pmatrix}a & b \\ c & d\end{pmatrix}\)

のように、成分表示に添え字なしの文字もよく使われます。

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